「孤独な夜のココア」
田辺聖子の小説を読むのは初めて。
スヌーピーのおばあちゃんってイメージしかなかったけど、読んでみるとイメージとはだいぶ違った。
ジャンルとしては恋愛小説。
短編の主人公たちとは年齢的にもドンピシャで、26~30歳あたりの女性にはぴったりだと思う。主人公それぞれの「20代後半の恋」にすごく共感できる。
そして、自分が関西圏で生まれ育ってよかった、と感じた。
会話はすべて関西弁。
きっと関西に住んでなければ伝わらないニュアンスなんかもあるんだろうな、と思いながら読んでいた。特に京都弁の語尾は難しい。例えば「着物の工程は十一もおすねえ」とか。私でも2、3度読み返した文があるので、きっと標準語に慣れてる人は読むのに苦労するはず。
あと、江國香織が好きな人にもおすすめしたい。主人公たちの雰囲気がどことなく似てる気がする。
でも、江國香織よりかはマイルドで、江國香織がブラックコーヒーだとすると田辺聖子はカフェオレかチャイ、といったところか。(チャイなのは、関西弁というスパイスが効いている、という感じ)
これから私の中で田辺聖子ブームが来るやも。
恋するたのしさ★★★★☆