「ペルセポリス I イランの少女マルジ」「ペルセポリス Ⅱ マルジ、故郷に帰る」
戦争って経験しないと他人事なんだな、と今の平和な日本にいて思う。いくら戦争に関する本を読んでも、原爆ドームを見ても、その時はぐっと悲しさとかやるせなさが溢れてくるけど、それから離れると忘れてしまう。
本書は半自伝的な話で、作者であり主人公であるマルジは戦争のあるイランで生きている。友達や親戚が死ぬ、軍隊や革命防衛隊に捕まる、なんてことが当たり前の世界。
そんな中でもバレないように音楽を聞いたり、パーティーをしたり、こっそり楽しみを見出していたというところに、戦時中の日本をテーマにしたドラマや映画を思い出した。弾圧された環境の中であらがいながらも生きている姿に、人種や国に違いはないんだろうな。
"イラン"と聞くと戦争やテロといったイメージばかりが目立つけど、世界遺産もたくさんある。本書では説明されてないが、題名にもなっているペルセポリスも世界遺産に登録されている。また、ナスィーロル・モルク・モスク、別名ローズモスクとも呼ばれている素敵なモスクもある。そこのステンドグラスを一度でいいから見てみたい。
イランは行ってみたい国のひとつなのだ。
旅したいっていう興味から、中東を少しずつ勉強していってるけど、戦争やイスラム教についてまだまだ知らないことがたくさんあるといつも思う。だから、またしばらくしてからこの本を読むと、次は違ったことを考えるかもしれないな、と感じた。