はらぺこ本の虫

読んだ本をゆるーくご紹介。ジューシーな文章が大好物です。

がらくた

江國香織「がらくた」江國さんの本を読んでいると、たまに「付き合ってる人がいてても結婚してても、好きな人ができればセックスしていい」っていう感覚になる時がある。この本もそう。私は誰のものでもない、という精神的・肉体的に自立した姿でもあり、性…

お父さん大好き

山崎ナオコーラ「お父さん大好き」短編集。私の父も含め、おじさんはおもしろいし、かわいいと思う。だから、「ハッピーおじさんコレクション」という、おじさんをフィーチャーしたサイトを運営する主人公の気持ちがわからなくもない。私も電車でおじさん観…

ペルセポリス

マルジャン・サトラピ(園田恵子訳)「ペルセポリス I イランの少女マルジ」「ペルセポリス Ⅱ マルジ、故郷に帰る」戦争って経験しないと他人事なんだな、と今の平和な日本にいて思う。いくら戦争に関する本を読んでも、原爆ドームを見ても、その時はぐっと悲…

とるにたらないものもの

江國香織「とるにたらないものもの」子どもの姿をした江國さんが、こっそりと宝箱を開けて見せてくれるようなエッセイ。日常のなんでもないことをよく観察・分析しているな、といつも思う。本人はそんな自覚はないのかもしれないけれど。私も幼い頃に何を考…

旅のうねうね

グレゴリ青山「旅のうねうね」旅マンガエッセイって面白い。私がもう少し画力をつけたら旅マンガエッセイをかけるかもしれない。なんだか俄然やる気が出てきた。そして、作者のようにちょっと中国語ができれば、旅はもっと楽しくなるのかなぁと思った。私の…

給食のおばさん、ブータンへ行く!

平澤さえ子「給食のおばさん、ブータンへ行く!」1年くらい前、JICA関西食堂で食べた月替わりランチがブータン料理だった。予想外の辛さにびっくりしたのを覚えている。そのあたりからブータンに少しずつ興味を持っていた。この本は60歳を前にして、ブータン…

旅をする木

星野道夫「旅をする木」この本を読むタイミングは、本当に"今"だったんだと思う。都会に疲れて、ストレスでおなかが痛くて、尊敬できる人も近くにいなくて。毎日ただただ目の前にある仕事をこなし、ぬるま湯に浸かってるだけのようなふやけた生活をして、"生…

男友だちを作ろう

山崎ナオコーラ「男友だちを作ろう」作者には勝手に親近感を覚えている。はっきりした理由はよくわからないけど、言ってることにしっくりくるからかもしれない。そして、文章から想像する彼女の雰囲気が私の友達に似ているとも思っている。私も男の子と友達…

夕闇の川のざくろ

江國香織「夕闇の川のざくろ」不思議な小説(というか、絵本?)。挿絵が独特で、なぜだか女の子の絵を直視できない。心の奥を見透かされそうな怖さ・凄みがあるからだろうか。気に入ったフレーズ「しおんはとても孤独です。冬の空とおなじくらい、もしくはプ…

エヌ氏の遊園地

星新一「エヌ氏の遊園地」あとがきを読んで驚愕した。昭和41年(1966年)に出版された本らしい。星新一の本だからそんなに新しくはないと思ってたけど、半世紀以上も前に世に出た本だとは思っていなかった。本当に今読んでも面白い。それってすごいことだ。あ…

金米糖の降るところ

江國香織「金米糖の降るところ」人は自由でいい、いや、女は自由でいい、自由でいることは何も悪いことではない、と励まされているような気分になる。本書に登場するのは、江國さんらしい、のびのびとした女性たち。現在勤めている会社に社内恋愛をしている…

短歌という爆弾

穂村弘「短歌という爆弾」正直なところ、とりあえず穂村さんだから買った、というのが本書の購入の理由。短歌はどちらかというと好きだが歌人になりたいと思うほどではない。なので、読んでいくと教科書なんじゃないかと思うくらい眠気を誘ってくる。わから…

なつのひかり

江國香織「なつのひかり」これは江國流のファンタジーなのだろうな。不思議の国のアリスのように、変わった人(たまにヤドカリ)と出会い、次から次へと異なる空間へ場面が展開する。いまいちつかみどころのない小説だと思ったが、もしかすると、これは実験的…

モンテロッソのピンクの壁

江國香織=作、荒井良二=絵「モンテロッソのピンクの壁」江國さんの絵本。「何かを手にいれるためには何かをあきらめなきゃいけないってことくらい、私はよく知っている」まさにそれ、ここ数日私が考えてたこと。ハスカップという名の猫は「うしろもふりか…

村上龍料理小説集

村上龍「村上龍料理小説集」男の世界は金と女と酒でできてるのか、と思った。高級料理を何事もないことのように盛り込んであるあたりに村上龍の教養が現れていて、かろうじて品が保たれている気がする。これがなかったらただのおっさんの女遊びの話じゃない…

真昼なのに昏い部屋

江國香織「真昼なのに昏い部屋」キュンキュンしました。ジョーンズさんと出会ったことで"外の世界にでてしまった"美弥子さん。妻という名、主婦という殻からの解放。いいことなのか、悪いことなのか。不倫の話なのに、ですます調で書かれているからか、絵本…

きまぐれ博物誌

星新一「きまぐれ博物誌」今から約50年前の昭和43年から45年にかけて書かれたエッセイ。ショートショートは読んだことあったけど、エッセイは初めて。まず冒頭の一文がいい。「ことしもまたごいっしょに九億四千万キロメートルの宇宙旅行をいたしましょう。…

世界のおやつ旅

多田千香子「世界のおやつ旅」ただのエッセイ・レシピ本と侮るなかれ。この本は古本屋で冒頭の1段落を立ち読みして即買いを決めた一冊。歯切れのいい文章が続く。筆者のチカコさんはサバサバ、パキッとした性格なのかな、と思う。生まれたての我が子の体重29…

すいかの匂い

江國香織「すいかの匂い」短編集。どれも子どもの頃の話だったり、主人公が小学生だったりする。江國さんは子ども目線で書いても安っぽくならないところが好き。ませた子どもという意味じゃなくて(たまにそういう子もいるけど)、子どもを一個人としてちゃん…

孤独な夜のココア

田辺聖子「孤独な夜のココア」田辺聖子の小説を読むのは初めて。スヌーピーのおばあちゃんってイメージしかなかったけど、読んでみるとイメージとはだいぶ違った。ジャンルとしては恋愛小説。短編の主人公たちとは年齢的にもドンピシャで、26~30歳あたりの…

すきまのおともだちたち

江國香織「すきまのおともだちたち」大人のためにある絵本、のような気がした。不思議の国のアリスにも似た理屈の通らなさとか、奇妙な登場人物。この世界ではお皿が車を運転できる。江國流ファンタジーがぱんぱんにつまっている。そして、チラ、チラ、と現…

ケンチとすみれ

柊和典「ケンチとすみれ」ひっっっさしぶりの投稿。最近は会社の課題図書しか読めてなかった。この本は、うちの一番下の妹が「ぜひ読んで」と興奮しながら貸してくれた。というのも、同じ"すみれ"という名前だし、去年まで小説の舞台にもなってる高知に4年住…

神様のボート

江國香織「神様のボート」江國さんの感性がとても好きだ。(だからファンなのだけど)今回もぐっとくる言葉がいくつもあった。素敵だなぁ。「たしかに、何かを所有することで、ひとは地上に一つずつ縛りつけられる。」「冬は生き物がみな眠る季節だ。(中略) 冬…

人生ベストテン

角田光代「人生ベストテン」私の人生ベストテンってなんだろう。1位はもちろん世界一周で、2位が日本一周っていうのはパッと出てくるけれど、あまり他に考えたことなかったと改めて思う。旅の人生を送っているけれど、3位以降はきっと旅とは関係ない。でも私…

そういうものだろ、仕事っていうのは

アンソロジー「そういうものだろ、仕事っていうのは」重松清、野中柊、石田衣良、大崎善生、盛田隆二、津村記久子"仕事"をモチーフとしたショートストーリー6篇。私自身、今の会社に入社してまだ2ヶ月なのに、すでに仕事に悩んでる。そもそも私には仕事運と…

ホリー・ガーデン

江國香織「ホリー・ガーデン」主人公の果歩が、今働いている会社の人事のお姉さんにイメージがぴったりで、何度も姿を重ねて読んでしまった。案外他人に対して冷静というか、マイペースというか。そんな感じ。その果歩が、かつて付き合っていた津久井のこと…

翻訳できない世界のことば

エラ・フランシス・サンダース(前田まゆみ訳)「翻訳できない世界のことば」言語って面白い、違うって素晴らしいと思った。それぞれの国やエリアにそれぞれの言語があって、そこに暮らす人々はその言語をもって意思疎通を図っているわけで。しかもその言語の…