「エヌ氏の遊園地」
あとがきを読んで驚愕した。
昭和41年(1966年)に出版された本らしい。
星新一の本だからそんなに新しくはないと思ってたけど、半世紀以上も前に世に出た本だとは思っていなかった。
本当に今読んでも面白い。それってすごいことだ。
あとがきで少しネタばらしをしていたけど、「電話のダイヤルを回す」という表現は古い表現になる可能性があるので意識的に避けていたそうだ。
ダイヤル式の電話がメジャーじゃなくなる予想をしてたなんて、さすがSF作家と言うべきか。
だって、小林明子の「恋に落ちて -Fall in love-(1985年)」もダイヤル回して手をとめるし、徳永英明の「レイニーブルー(1986年)」もかけなれたダイヤル回しかけてふと指を止めている。
将来を見据える目を持って小説を書くと、こんなにも色褪せないのか。
星新一が過去の人なのか未来の人なのかわからなくなってきた。
すごく面白い体験だった。