「現実入門」
穂村さんのことが好きだ。
本当に好き。
生活力のない感じとか、妄想にふけるところとか。でも、そんなへなちょこな自分を観察してエッセイにしちゃってるのが、またいい。
もっと読みたい、もっと知りたい、もっと近づきたい。そして、あなたを守りたい。私の欲望が高まるのがわかる。
私はダメ男に弱いのだろうな。
穂村さんに比べて、私は人生の経験値は高い方だと自分で思っている。まだ結婚や出産はしたことはないけれど、バンジージャンプをしたり昆虫を食べたりしたことはある。
しかし、42歳になっても合コンや海外旅行をしたことのない穂村さんを見る(読んで感じる)と、なんてピュアなんだ、と思う。ピュアすぎてまぶしい。触れない。近づけない。
彼は私がとうに失ってしまったものを持っている。
穂村さんは"世界"を怖がっているからこそ、そんなピュアさを保てているのだろうな。
うーん、好きだ。
ずっとその感性を失わずに歳を重ねてほしい。