はらぺこ本の虫

読んだ本をゆるーくご紹介。ジューシーな文章が大好物です。

旅行者の朝食

「旅行者の朝食」

米原万里

 

 

この本を見つけたのは古本屋さんの文春文庫コーナー。"旅行者"という言葉に惹かれて手にとり、表紙と目次を見て食べ物についてのエッセイだと確信してレジに直行した。その勘は当たっていて、ものすごく面白い文章が詰め込まれた一冊だった。

 

私もおいしいものが大好き。

特に料理上手な母の作るごはんは格別だった。三姉妹の長女として育った私は、どんどん箸の使い方が上手くなってきたり、だんだん胃のキャパシティが大きくなってくる妹たちに負けることはできないと、食卓にどーんと大皿で料理が出されるや否や光の速さで口に運んでいた。いや、光の速さは言い過ぎかもしれないけど。毎日妹たちと戦っていた。

とにかく食い意地が張っているのだ。

 

なので、きっと万里さんとは仲良い友達になれるだろう、と思った。万里さんは元ロシア語通訳者ということで東ヨーロッパあたりの食事事情に詳しい様子。アジア系なら私に任せて。2人でテーブルいっぱいに料理を広げて平らげましょう。空の上で待っててください。