はらぺこ本の虫

読んだ本をゆるーくご紹介。ジューシーな文章が大好物です。

ほんとはかわいくないフィンランド

「ほんとはかわいくないフィンランド」

芹澤桂

 

 

山陰の冬。北欧の国・フィンランドに学べるところがあるかもしれない、と思って読んでみたが、やっぱりフィンランドでも日照時間が少ないことからしんどさを感じる人も多いらしい。

しかし、本書から学んだのはもうちょっと範囲が大きく、地域の暮らしについて、という点。地域再生アドバイザーの卵として、考えさせられるところがあった。

 

フィンランドではマンションで共用のサウナがあったり、いつでも借りられる落ち葉かきや雪かきの道具があったり、予約したら借りられる部屋があったりするらしい。それって日本で言う公民館の役割かもしれない。

日本って昔は"地域でひとつの共同体"という感じの暮らしだったけれど、最近は"個々の家庭"という感じが強くなってきているように思う。雪かきスコップだって個人所有、DIYの工具だって個人所有。持ってない人はどこで借りられるんだろう、買わなきゃいけないんだろうか、といつも思っている。

日本における地域の活動は高齢者と若者の分断みたいなことがおきているように思う。溝の掃除ばっかで嫌だし、めんどくさいおじいさんがいるから会いたくないし、そもそも平日の昼間に会議があっても出れないし…と、いつからそんなことになってしまったのだろうか。地域活動が現代社会に追いついてないことが原因だろうか。

 

なのでフィンランドの他人と何かを共有する暮らし、とても魅力的に思える。嫌なことももしかしたらあるかもしれないけれど、現代の公民館もこうオープンでメリットのあるものという存在であるべきかもしれない。