はらぺこ本の虫

読んだ本をゆるーくご紹介。ジューシーな文章が大好物です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

半農半Xという生き方

塩見直紀「半農半Xという生き方 決定版」いつかは山へかえると思っていた。以前から"半農半X"という概念は知っていて、自分が食べる分くらいの野菜をつくる傍ら、本業だったり好きなことをするというもの。泊まりに行ったゲストハウスでこの本を読み始めて、…

大泉エッセイ 僕が綴った16年

大泉洋「大泉エッセイ 僕が綴った16年」最近読書熱が冷めてきてるのか。それとも、電車に乗る時間がほぼなくなったからなのか。おそらく後者だろう。私にとって、電車で移動する時間 = 本を読む時間 という図式が成り立っている。そのため、あえて読書の時…

冷静と情熱のあいだ Blu

辻仁成「冷静と情熱のあいだ Blu」またもや途中で違う小説に浮気したり、それでも気になって戻ってきたりしながら、読み始めてから終わるまで2ヶ月かかった。辻さんの小説自体は初めて。江國さんとの共作じゃなかったら出会ってなかった作家さんだろうな。タ…

冷静と情熱のあいだ Rosso

江國香織「冷静と情熱のあいだ Rosso」日本にいるのに、全然小説を読めていなかった。他にも読みかけの本はあるけれど、最後まで読み終えたのは2ヶ月ぶり。ずいぶんと間が空いてしまった。江國さんの小説は、恋愛の華やかさや幸せを感じさせる描写があるにも…

いつか記憶からこぼれおちるとしても

江國香織「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江國さんの小説には固有名詞がよく出てくる。だから、いつも半分リアル。本当に彼女たちがこの世界で生きているみたいな気がしてくる。人は必ず誰しもバックグラウンドがあるわけで、でもそれは他人からは見…

青春を山に賭けて

植村直己「青春を山に賭けて」大学では第二外国語として、ドイツ語をとっていた。ドイツ語自体はもうほとんど覚えてないけれど、四角い顔のヒョロッとしたおじちゃん先生のことはよく覚えている。本や詩が好きな人だった。そんな先生がおすすめしていたのが…

グアテマラの弟

片桐はいり「グアテマラの弟」キノコのような髪型でカクカクっとした輪郭に大きな目が特徴的な俳優さん、というイメージの片桐はいり。こんなに楽しい文章が書けるんだ、という発見とともに、読んでいて何度も笑わせてもらった。個性的な役を演じていること…

蚊がいる

穂村弘「蚊がいる」ずっと結婚できなかったのは知っていたが、結婚してからは奥さんネタのエッセイが増えている。しかしこの穂村さんが見初めただけあって、なかなか奥さんもおもしろい。「東大でいちばん馬鹿な人になら勝てると思う?」や「滝川クリステル…

ホテルカクタス

江國香織「ホテルカクタス」大人のための童話なのかも、という印象。というのも、登場人物が、帽子、きゅうり、数字の2、という人間ではない人たちだから。彼らの名前はあだ名ではなくて、きゅうりはシャワーを浴びれば身体の緑が冴えるし、数字の2がのびの…