はらぺこ本の虫

読んだ本をゆるーくご紹介。ジューシーな文章が大好物です。

2021-01-01から1年間の記事一覧

わたしのマトカ

「わたしのマトカ」片桐はいりはいりさんの書く文章はカラッとサクッと、たまにフフッと。読んでいて楽しい。たくさんのお芝居をしていて、たくさんの豊かな文章に出会っているからだろうか。それだけでは理由にならないかもしれないが、良いアウトプットは…

インパラの朝

「インパラの朝」中村安希比べる必要はないって分かっているけれど、同じ「世界一周」でも中東やアフリカに行ったかそうではないかでは、旅の密度が違ってくる気がする。私は、後者だ。どちらかと言えば私も貧乏旅行ではあったのだけど、訪れた国々にはほど…

こころの対話 25のルール

「こころの対話 25のルール」伊藤守実兄のような10歳上の友達が貸してくれた。上司(50代男性)とのコミュニケーションがうまく取れない。ワンマン気質な上司。口が悪くて、なんでこんなに人をバカにするような言い方しかできないんだろう、と私はいつも思って…

全ての装備を知恵に置き換えること

「全ての装備を知恵に置き換えること」石川直樹スマホは便利だ。知らない道でもGoogleマップが案内してくれるし、言葉が通じなくても翻訳アプリを使えばいい。旅をする人は特に重宝している。でも。充電が切れたらそこでおしまい。予備バッテリーがあったと…

左岸

江國香織「左岸」いつから読み始めただろうか。年度の初めの頃には、お昼休みに上巻を持って木陰へお弁当を食べに行き、そのままそこで読むのが日課になっていた。それから毎日のように雨が降る、または降らなくとも地面が濡れている梅雨の時期へ突入し、地…

城崎へかえる

湊かなえ「城崎へかえる」城崎温泉だけでしか買えない小説。母子の思い出にまつわるショートストーリー。カニの足をイメージした外箱もかなりセンスがいい。読んでいて、微妙な関西弁のニュアンスの違いを感じた。兵庫の中でも地域によって方言がだいぶ違う…

ちょうちんそで

江國香織「ちょうちんそで」今になって思うに、文庫本の最後についている「解説」は読書感想文なのだと思う。当たり前と言えば当たり前なのだけど。小学校の頃に出た夏休みの宿題の読書感想文みたいなもの。違うこととすれば、解説を書いてるのは作家だった…