エラ・フランシス・サンダース(前田まゆみ訳)
「翻訳できない世界のことば」
言語って面白い、違うって素晴らしいと思った。
それぞれの国やエリアにそれぞれの言語があって、そこに暮らす人々はその言語をもって意思疎通を図っているわけで。しかもその言語の中のひとつの言葉が、他の言語では簡単に訳せないほどの豊かな意味をもっている。
それって、想像しただけでもぶわーっと幸せな、満ち足りた気持ちになる。
日本語の「木漏れ日」もそのひとつ。
木々が頭上で生い茂っていて、その葉と葉の隙間から太陽の輝く光がキラキラフワフワと差し込んで、地面に落ちる。木漏れ日の中にいる自分は、周りの緑やあたたかな光に囲まれて妙にリラックスした気分でいるのだ。そんなところまで全部含めての「木漏れ日」という言葉。なんて豊かなんだろう。
本を読んだ中では、一番気に入ったのは「ヴァシランド」というスペイン語。
意味は「どこへ行くかよりも、どんな経験をするかということを重視した旅をする」ということ。
「こないだの沖縄はヴァシランドだったね」なんて使い方をするのだろうか。
あと、これとはちょっと違うけど、デイリーポータルZにある「まだ名前のない事象に名前を付ける」という記事を思い出した。これもこれでおもしろい。
http://portal.nifty.com/kiji-smp/170623199980_1.htm
なるほど度★★★★☆