多田千香子
「世界のおやつ旅」
ただのエッセイ・レシピ本と侮るなかれ。
この本は古本屋で冒頭の1段落を立ち読みして即買いを決めた一冊。
歯切れのいい文章が続く。
筆者のチカコさんはサバサバ、パキッとした性格なのかな、と思う。
生まれたての我が子の体重2990グラムを「バーゲン価格みたい」と言う例えも秀逸。
牛のタルタルを食べた時も、4分の1ずつとは言わずに「90度ずつ」と表現していて、言葉の選び方にグッときた。
"ご縁が2つ重なったらゴー"
"「そのうち」とか「徐々に」とか、うだうだしているヒマはない。しっかり1秒ずつ好きな道を歩こう。"
旅好きにとってはすごく心に響くフレーズも。さすが旅人。
日本は広い。でも世界はもっと広い。
「仕事嫌だな、辞めようかな、どうしようかな」なんてうだうだしているヒマはない。
私の旅歴も今年でちょうど10年だし、いっちょ、なんかやったろうかな、と思う。
案外どこででも生きていけるんだよ、って誰かが言ってたし。