はらぺこ本の虫

読んだ本をゆるーくご紹介。ジューシーな文章が大好物です。

場所はいつも旅先だった

「場所はいつも旅先だった」

松浦弥太郎

 

 

アメリカで暮らした日々や、各国を旅したエピソードを綴ったエッセイ。

 

「旅を旅とするには、なにが必要なのか。そんなことを真剣に考えるか否かで、その人の人生は大きく変るような気がする」という著者の言葉には大きくうなづく。

私はひとり旅が好きで、それは感性の赴くままに行動できるからでもあるし、自分と向き合う時間が取れるからでもある。電車で、フェリーで、飛行機で揺られるその度に、窓の外を眺めながら、旅とは、人生とはを考えたりする。

 

旅は日常からの解放。

住んでいる家や働いている職場から体を物理的に移動させることで、日々考えていることやこなさなければいけないことから一時的にも離れることができる。それはリフレッシュでもあり、現実逃避でもあり、クリエイティブな思考に転換するための儀式でもあるような気がしている。

 

旅は己の実力を見極める場。

移動手段から宿泊先、何をするかまで自分ひとりで手配するため、どのくらいスムーズに、どのくらい楽しめるかを計画する力・実行する力が必要となる。予測していなかったアクシデントもあるわけで、その場合は臨機応変な対処能力も必要。だからこそ、旅をする度に経験値が上がっていくと感じている。

 

旅はライフワーク。

もう、旅のない人生なんて考えられない。

新型コロナの影響を大きく受けていて、海外に旅に出られないことは悲しいしストレスでもあった。でも、国内の旅に目を向けるいい機会になったとは思う。日本一周した頃には感じなかった離島の魅力を今は感じている。旅が完全にできなくなった時が私の心が死ぬ時だと思う。どんな状態になっても、旅を楽しくし続けていきたい。