はらぺこ本の虫

読んだ本をゆるーくご紹介。ジューシーな文章が大好物です。

にっぽん・海風魚旅2 くじら雲追跡編

「にっぽん・海風魚旅2 くじら雲追跡編」

椎名誠

 

 

久しぶりに読書。車での通勤時間が長くなってからは、もっぱらラジオというかポッドキャストを聞くばかりの日々だった。

この本を読むきっかけになったのは、カヤック仲間の西村さんが「ワシが出てるから読んだらいい」と貸してくれたからである。こちらも借りたからには次に会うまでに返さねば、という気持ちでいろんなところへ持ち歩いて、少しずつ読み進めたのであった。

 

山陰カニババ旅の舞台がそれこそ鳥取で、この本を貸してくれた西村さん以外に、私が所属するカヤック団体の代表の長谷川さんも登場していた。写真も多く、二人とも若い。そりゃあ本の発行から二十年も経っていれば、彼らもそれだけ若いか。

それにしても、作者の椎名誠と知り合いだというのがとてもうらやましい。私も一度お会いしたいくらい。「鳥取に来る連絡があれば絶対私を呼んでください」と彼らに念押ししておかなくては。

 

椎名さんのあっけらかんとした文章の書きぶりには、胸がすっきりとした。

うまい飯うまい酒だけでなく、食堂選びに失敗したり、校庭で小学生たちと野球をしていて校長先生に怒られたり、波を撮ろうとして濡れたりしたちょっと恥ずかしいようなエピソードも文章にしている。大人なのに子どものような、純粋な目で物事を捉えているような、そんな感じ。でも、私はそんな感じが好きだ。

私もたまに椎名さんの本を読み返して、彼のような人生を楽しむ姿勢を忘れないようにしよう、と思った。